銀白色の鱗屑(りんせつ:皮膚の粉)を伴い、境界の明瞭な盛り上がった紅斑が全身に出ます。乾癬(かんせん)の患者さんの90%くらいが、この症状です(尋常性乾癬)。
大きさ、数、形はさまざまで、発疹が癒合して大きな病変を形成することもあります。出来やすい部位は、慢性かつ機械的な刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿などです。青壮年期に発症することが多く、多発しますが、通常、内臓を侵すことはありません。かゆみは約50%の患者さんに見られます。爪の変形や関節炎を伴うこともあります(関節症性乾癬)。稀ながら、発疹が全身に及ぶこともあります(乾癬性紅皮症)。その他、喉が痛んだ後(扁桃腺炎)に雨滴状の小さな乾癬皮疹が出来る滴状乾癬、重症の汎発性膿疱性乾癬があります。
乾癬は慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返し、一律な治療方針は無く、患者さんの病気の程度、置かれた状況に応じた治療法を選択することになります。
通常は、外用薬から始めます。外用薬はステロイド外用薬、ビタミンD3外用薬が主に使われますが、それぞれ特性が異なります。
内服薬としては、レチノイド、シクロスポリン、メトトレキサートなどが主なものです。これに紫外線療法を加えた3つ(外用療法、内服療法、光線療法)が基本的な治療法です。
近年、これらの治療法で十分な効果が得られない場合、副作用などで内服薬が使えない場合には、抗体療法という新しい治療が行えるようになりました。アダリムマブ(皮下注射)、インフリキシマブ(点滴注射)、ウステキヌマブ(皮下注射)などの治療法です。
当院では外用剤による治療を行っています。内服薬・抗体両方が必要な方は、大学病院等へご紹介いたします。
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