皮膚カンジダ症は、股部・陰部・おむつ部・手指の第3指間など、湿って擦れやすい部分に生じます。症状は、境界のあまりはっきりしない、ジクジクした紅斑で、その中や周囲に小さい水ぶくれや膿が多数見られます。多くは軽い痒みを伴います。
診断としては、病変部から皮膚の一部を採取して、顕微鏡で検査します。
皮膚カンジダ症の診断と治療は他の皮膚病と比較しても、そんなに難しくはありません。問題になるのは発症した場合は、必ず原因・誘因があるということです。と言うのは、カンジダは粘膜の常在菌であり、誰もが保菌していますが、病原性が弱い菌で、発病することは滅多に無いのです。
皮膚カンジダ症は、高温・多湿などの環境因子、おむつの使用・多汗・不潔などの皮膚状態が原因になります。そのため、季節的には夏に多く、寝たきりによる不十分なスキンケア、肥満、妊娠なども関係します。さらにステロイド薬の外用や糖尿病のコントロール不良による皮膚の免疫能の低下、もともとあった皮膚疾患に対する不適切な治療なども影響します。
免役能の低下によるケースも少なくなく、糖尿病、膠原病(こうげんびょう)、悪性腫瘍などの患者さん、抗がん剤などの強い薬を投与されている患者さん、大手術、放射線、透析などの治療を受けている患者さん、また健康上の大きな問題が無くても、高齢者には発症しやすいようです。
治療の基本は、カンジダに対する抗真菌薬の外用です。同じカビの病気である水虫に比べると治りやすいのですが、広範囲に生じた時や治りにくい場合は内服薬を用いることもあります。
早期に正しく診断し、適切な治療を行えば、それほど難治性のものではありません。しかし発病したのには必ず理由があるので、それを見つけるのが重要です。再発を防ぐ鍵にもなりますし、皮膚カンジダ症から内臓の病気が見つかることもあります。
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